クロス張替え 「経年劣化」か「汚損・破損」か

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2023年11月26日

クロス張替え 「経年劣化」か「汚損・破損」か

賃貸物件の退去時に、原状回復工事でクロスの張替えが必要になるかどうかのお話しをしたいと思います。

以前、原状回復工事とは「貸主・借主が協力し合ってお部屋を元に戻す作業」ということをお話したかと思います。ではどういう場合に張替えとなり、負担(負担割合等)はどうなるのかということを実際にクロスを張替えている現場を例にお話しをさせていただきます。

<ケース1>

借主がタッカー(ホッチキスのようなもの)を使用した形跡がありました。写真だとわかりづらいですね。タッカーが簡単に外せる場合でクロスが補修の範囲を超えなければ張替えの必要はないと思われます(その場合補修費は負担することとなります)

ただし今回の場合はタッカーを使用していて、頻繁に同じ個所で付けたり外したりしたことでクロスを傷めてしまっていました。補修することが難しいので張替えとなりました。(実際は写真よりもクロスはかなり傷んでいます)

<ケース2>

この場合は先ほどのタッカーのような小さい穴ではなく、ねじのようなものでグリグリと穴をあけたような状況でした(クロスを剥がしてからの写真で申し訳ないです)

また穴の径も指が簡単に入ってしまうくらい大きいもので、ここ以外にも同じ壁面に数か所ありました。1か所くらいでしたら補修する内容になるのですが、ここ以外に数か所ありましたのでピンポイントで補修するとかえって補修箇所が目立ってしまうので、クロス張替えとなりました。

<ケース3>

洗面所の側面ですが、この場合は判断が正直微妙です。水廻りはどうしても水が壁面に掛かってしまうところがあります。その部分を無傷で維持するのはかなりの注意が必要です。この壁面のみの汚れでしたのでクロスクリーニングとなりました。

<ケース4>

この壁面は手垢がついていましたが、この程度であればハウスクリーニングの範疇です。また、もしクロスを張替えることになったとしても借主の負担の可能性は低いです

まとめ

入居中のクロスの「経年劣化」「汚損・破損」の判断がなかなかつきにくいケースがあります。その場合は
 
  • クロスの張替え履歴や経過年数
  • 汚れの原因と程度
  • 契約内容(国交省のガイドラインの事や張替えの場合は面単位か部屋単位など)
以上3項目を借主・貸主が協議して精算の話を進めます。
 今回にはあてはまりませんがタバコのヤニやお線香等で室内を汚していた場合はクロス張替えとなる可能性が高く、その場合は割合として借主が多めに負担することが多いです。

国土交通省のガイドラインではクロスの価値は「6年で1円」という位置づけです。6年以上入居している場合で汚損や大き目の穴がないようでしたら借主の負担の可能性は低いと考えられます。

今回はあくまでも一つの例としてのご紹介でした。退去時の室内の状況は一つとして同じものはありませんが、概ねこのような内容で話をすすめるケースが多いです。多少参考にしてみてください。

※神奈川県下でもエリアや数十年前の契約内容により今回ご紹介したケースに当てはまらないこともあります。また東京ルールについては多少影響を受ける事もありますが「東京都の条例」となりますので予めご承知おきください。 

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