外壁屋根塗装工事でのいろいろ(前半)

今年のはじめころにアパートのオーナー様より外壁と屋根を塗装する予定があるけど見積してみます?と声を掛けて頂きました。そして見積を提示させていただきまして2月に正式に工事のご依頼を頂きました。私が㈱ホームプランに入社してから初めて外壁屋根塗装工事を施工することになったのです。ありがとうございます。責任重大です。しっかりしたものを施工することでこのご厚意に応えたいと思いました。(工事自体は4月末に完了しております)

ここで施工事例のビフォー、アフターの写真のみを掲載するつもりでしたが、施工中にあったいろいろな出来事についてもご紹介したいと思いましたのでそれも含めてお話していきたいと思います。

お話を頂きました建物(アパート)です。

さて工事のほうですが、写真は初日の足場架けです。足場屋さんが正確かつスピーディーに組み立てます。

6人であっという間に足場とシートが組み上がりました。

箱舟のようですね。

足場が組み上がりましたら名称看板の取り外しや劣化部分のチェックです。

看板を外すとこんなに真っ黒

既存看板のビスから錆が出ています。これは新たに錆びないビスへ交換します。

屋根材に隙間があるか確認しました。

アンテナのポールはかなり錆びています

またアンテナの脚も錆が出始めていて汁になって屋根に付着しています。

このように建物廻りを一通りチェック。

この作業が終わると次に「高圧洗浄」です。

これは外壁表面の汚れや古い塗膜、コケなどを完全に落として新たに塗装する部分が剥がれないようにする作業となります。

この高圧洗浄をしているときに「温泉川さーん、ちょっと来て―」という声がしました。

屋根の北側に2箇所「鳩小屋」が設置されているのですが、その鳩小屋と屋根の接しているスキマからボロボロと木片が多数飛び出してくるというのです。

白いところがガラリ部分

赤い矢印のところから木片が大量に出てきました

また最初この鳩小屋は2階屋根裏の換気の役割をしているのかと思いました。しかしよく見るとガラリの部分は一枚の鉄板になっていて風が通らないものだったのです。遠くから見ると風を通すようなものに見えるので「?」となりました。

そこからこの「鳩小屋」の用途についていろいろと外側から調査しました。しかし周りは板金でおおわれているので中の様子がわかりません。高圧洗浄をすると隙間からどんどん木片が出続けるのでこれは一度鉄板を一部外して中を調査するしかないと思いました。

オーナー様へ報告したところすぐに調査の許可を頂きました。そして一部の板金を外してわずかな隙間から中の様子をみたところ案の定ダクトなどは全く無く中は空洞でした。屋根の上にそのまま木で組み上げてベニヤに板金を張り付けていただけだったのです。つまりこの鳩小屋2基は「飾り」というわけです。

新築当初(約29年前)は共同住宅のデザインとしてこのような鳩小屋を設置することが多かったのではないでしょうか。ただこの鳩小屋の内容が把握できたので、この鳩小屋が「飾り」であること、またその構造は「木造」である事についてオーナー様へ報告することとしました。そして数年後には強風で板金が剥がれ飛ぶ可能性もあることからオーナー様へは撤去処分をご提案しました。

今度もすぐにオーナー様よりご承諾頂きました。ただし下地のメッキ部分はボルトが屋根を貫通しているのでその部分は残すことにしました。

そして2日後撤去することになったのですが、2つある鳩小屋のうちの東側の鳩小屋を解体したときに側面の板金が手で簡単に剥がれたのです!これは相当腐食していると思い中を開いてみたところなんと「シロアリ」に侵食されていたことがわかりました。

板金部分と下地を撤去しました

シロアリはすでにいませんでした

蟻道の跡です

雨漏りしないようにメッキ加工された下地は撤去せず残しました

念のため写真を専門家に見せたところ「間違いなくシロアリだね。こんな屋根の上でシロアリに食べられているなんて珍しい。これまで30数年シロアリを見てきているけどこんなのは初めてだねハハハ・・・」とのこと。いろいろと聞いてみるとシロアリには羽があるが羽を使って能動的に飛ぶというよりは「風まかせで飛ぶ」ようで、「おそらく風に乗ってたまたまこの屋根に着地して下から鳩小屋の柱に入って行ったのだろう。また雨水を常に含んでいるような状況なのでそこに巣を形成していたと思う」と仰っていました。

いずれにしてもシロアリに食べられていたことも含めて鳩小屋は撤去処分で良かったと改めて思いました。

(後半へ続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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