賃貸物件のお部屋を退去する時、特にお部屋の引き渡しの時に不動産会社の担当者やオーナーさんが同席しているとかなり緊迫した雰囲気になるのではないでしょうか。私はこれまでに年間150~200件前後の退去立ち合いを経験してきました。その中でお客様によってはなかなか合意に至らないケースもあります。その中で特にデータをとっていた訳ではありませんが、私が「この質問多かったな~」と思ったものを勝手に3つに絞ってご紹介したいと思います。よろしくお願いします。
1)敷金は次の入居者のためのもの?
賃貸物件を借りたことがある方は経験されたと思いますが、退去するときに避けて通れないのが原状回復工事です。私は10年近くこの業務に携わっていましたが、敷金を契約時に預けたお客様からよく言われたことがあります。それは「敷金は次の入居者のために使うのですか」という質問です。この質問は本当によくありました。退去の時になるべく敷金を返してほしいというお気持ちは痛いほどわかります。これについての答えは以下のとおりです。
2)敷金は戻ってくるものでは?

3)原状回復工事は自分で業者さんを手配してはダメなの?
賃貸管理会社の契約書には一般的に、「原状回復の工事業者は貸主の指定業者とする」と契約条項に記載されています。賃貸借契約締結時に貸主・借主双方がその内容で署名捺印することとなります。
もし仮に、借主の指定業者に原状回復工事を任せた場合、安い金額で手抜き工事をする業者も出てくる可能性があります。その場合はすでに退去した元借主に対して修繕(施工)責任を追及することになります。また、例えば10室あるアパートの借主全員が自身で探してきた工事業者で施工したとすると、部屋によって施工精度や精算単価がバラバラになってしまいます。このようなトラブルや不均衡を防ぐために、物件の所有者である貸主の指定業者が工事を行い、費用は借主も負担するという流れが主流なっています。
以上、私が賃貸物件の退去時に借主側からよく受けた質問3つをご紹介しました。
最後に
最近では「敷金0礼金0」という物件もあり、敷金を預からないケースも増えてきています。いずれにせよ敷金を預ける、預けないに関わらず、お部屋を借りる際には退去時にすべき内容をしっかり確認しておきましょう。
またもし賃貸物件にご入居中でしたらお手元の賃貸借契約書をしっかりと確認して、退去の時に備えておきましょう。